実在のモデルを描いたというお水系漫画「順子」について教えて!!

(1)「順子」という作品について

「順子」は、実業之日本社からコミック本として全8巻が出版されているお水系漫画です。
この作品の、通常のお水系漫画との違いは、作者の脳内で構築したファンタジーがほとんど
の中にあって、「順子」は実話をモチーフにしているという点でしょう。

タイトルにもなっている「順子」という名前も、そのものズバリ、モデルとして描かれている主人公の実名です。

いわば、半ドキュメンタリー作品といっても良いと思います。

(2)「順子」を作った人たち

「順子」というお水系漫画作品には、3人の製作に携わった作者がいます。

まず漫画原作者は、お水系漫画原作の巨匠である倉科遼であり、いわゆる倉科作品にもなるのですが、
この「順子」に関しては、実話をもとにインタビュー(取材)を進め、それを漫画原作としてまとめるという作業だったようです。

その取材対象が、この「順子」の主人公(モデル)でありヒロインの田村順子氏です。
田村順子氏は、作中でも描かれている通り、銀座高級クラブ界のレジェンドであり、彼女がママを努める『クラブ順子』
は銀座ナンバー1クラブと称されました。

この物語は、この生けるレジェンドである順子ママが、自分の半生を回想し、いかにして銀座ナンバー1と言われるまでに
のし上がったのか、をドラマチックに描いています。

ですから、倉科先生が順子ママに取材インタビューを敢行して、その都度お話にしていくと言う形であり、そのためクレジット
にも「協力:田村順子」という本人の名前が入っています。

倉科遼先生に関しては、有名なお水系漫画の巨匠的存在であり、漫画原作者としても草分けのような存在ですが、
栃木県出身の1950年生まれで、デビュー当初は、司敬(つかさけい)という名前で、作画も行う普通の漫画家でした。
ですが、ある時に漫画家としての自分の限界を感じ、漫画原作者専業へシフトしました。
これが大正解で、原作者転向以降は、メガヒットをガンガン量産して押しも押されないお水漫画界の巨星となりました。

この「順子」の作画担当の漫画家は、勘崎順次先生で、「順子」の他にも、やはり倉科遼原作作品の「愛と復讐の挽歌」
などを描いていますが、詳しいプロフィールは非公表らしく、作品の経歴しか調べられません。

(3)「順子」の作品世界およびその背景のついて

上でも述べてきたように「順子」は実在の人物をモデルに描かれた作品であり、半ドキュメンタリーのような作品です。

ですから、主人公でありヒロインの「順子」こと田村順子氏の半生がもとになるわけですが、ざっくりと物語の基調を
紹介しておくと、

1941年に東京・巣鴨に生まれた順子は、幼少時は戦時中でしかも父親が亡くなったり、信州の疎開先で姉とともにイジメられたりと、
その人生初期においてさんざんな辛酸を舐めます。
やがて成長した順子は、17歳の高校生の時に、モデルのスカウトを受けたので、銀座へ行ったのですがそのスカウトに会えなくて、
あてが外れ帰りの電車賃もなく路頭に迷っていたところで出会ったのが、大手家電メーカーの社長さんでした。

そしてこの社長の口利きでモデルになることができ、暮らしは豊かになっていきます。
その後高校を卒業すると、銀座のレジェンドだったクラブ『妃』の洋子ママのもとで、本格的にホステス人生をスタートさせるのでした。

こうして、この物語の世界がはじまっていくのですが、やはり実話をモチーフにしているだけあって、かなりリアリティー
が読者に伝わってくる作品だと言えます。

一般的な読者評は、2分されていて、やはり実在の人物の半生記だから素直に面白い、興味深かったというものと、
銀座でのし上がるためにお金持ちの爺転がしを駆使して不快だ、という主に女性読者の感想に真っ二つに分かれています。

そういった反響も、やはり実在の人物がモデルなればこその作品だなあと感じます。

変則お水系漫画「都立水商!」について教えて!!

(1)「都立水商!」という作品について

「都立水商!」は、同名の小説が、2001年に小学館から出版されました。
その小説を原作として、漫画作品として描かれ、『週刊ヤングサンデー』誌上において
掲載が始まったものです。

『週刊ヤングサンデー』の後には、『スピリッツ増刊 YSスペシャル』のVOL.1~VOL.5まで
連載され、結局、2003年から2009年までの長期にわたって連載された作品です。
かなり好評を博したので、2006年には、日本テレビ系においてスペシャルドラマ化されました。

加えて、2011年になると、続編となる「都立水商!2」も始まり、携帯マンガサイトである『モバMAN』
において連載がスタートしています。

(2)「都立水商!」を作った人たち

上でもちらっと触れたように、「都立水商!」はもともとは小説の作品でした。

よって、この漫画自体は、猪熊しのぶ先生という漫画家によって描かれていますが、原作となる同名の小説作品が
始めにありき、ということです。

ですから、まず、元の小説「都立水商!」の作家から見てみましょう。
小説「都立水商!」を書いたのは、室積光(むろづみひかる)先生です。
1955年生まれの山口県光市出身の作家で、ペンネームはこの出身地に由来しています。
東京経済大学在学中からテレビや映画において俳優活動をしていた人で、もともとは役者さんです。
有名なところでは、あの『3年B組金八先生』で保健体育教師・伊東先生役でレギュラー出演も果たしています。

ですが、以降は、劇作家メイン(俳優業も続行)に転身し、東京地下鉄劇場主宰します。
脚本、演出、俳優とマルチにこなすかたわら、小説家としてもデビュー、その処女作がこの「都立水商!」でした。

次に、この「都立水商!」の漫画作品を描いている漫画家は、猪熊しのぶ先生です。
栃木県出身の男性で、1994年に『週刊少年サンデー』誌上において「DRUM拳」(原作:井上敏樹)という作品でデビュー以来、
幅広い分野で作品を描いている漫画家です。

(3)「都立水商!」の作品世界とその背景の世界観などについて

「都立水商!」はコミック本において全22巻にも渡るお話ですが、いったいどのような世界観の物語なのでしょうか?

ざっくり紹介していくと、

『東京都立水商業高等学校』という水商売について学ぶための学校が新宿・歌舞伎町に設立され、そこで10年間
教師を務めたこの物語の主人公である田辺圭介が、実家である書店を継ぐために教師を辞めるにあたって、今までの
回想を行い、その回想に沿ってお話が進んでいくというものです。

ひとことで言ってしまえば、ありえないファンタジー世界で展開されるドタバタ学園コメディということになりますが、
登場人物の描写が非常に巧みで悲喜こもごもが上手に表現されているヒューマンタッチコメディであり、
だからこそ、これほど長く愛されている作品なのだろうと感じます。

お水漫画の王道系作品「ネオン蝶」について教えて!!

(1)「ネオン蝶」という作品について

「ネオン蝶」は、日本文芸社の『週刊漫画ゴラク』に連載されていた青年漫画で、いわゆるお水系漫画作品になります。
全216話にも及ぶ物語は、コミック本としても販売されており、全10巻完結となっています。

(2)「ネオン蝶」を作った人たち

「ネオン蝶」という作品には、漫画原作者の先生と、作画担当の先生との2人がいます。

まず、漫画原作者の先生は、お水系漫画の巨匠・倉科遼先生です。
お水系漫画が好きな読者であれば、誰でも知っているほど著名な原作者であり、また数多くの大ヒット作品を次々と
世に送り出してきた先生ですね。

栃木県那須塩原市出身で、1950年生まれの倉科遼は、最初は漫画原作者専業ではなく、作画もする普通の漫画家でした。
当時は、まだ今の倉科遼という名前ではなく、司敬(つかさけい)というペンネームを名乗った漫画家であり、「昭和バンカラ派」
や「野望の群れ」など、当時から多数のヒット作を生み出していました。

しかし、ある時に漫画家としては行き詰まりを強く感じ、漫画家を辞めてしまいます。
そして、漫画原作者専業の作家として方向転換を図る決意をし、様々な作画担当の漫画家とタッグを組んで作品を世に送り出す
スタイルにチェンジしました。

すると、これが功を奏して、倉科遼の特にお水系作品は、次々と大ヒットして売れっ子作家となり、現在に至っています。

次に、作画担当の漫画家は、東克美先生です。
静岡県在住の女性で、1990年にレディースコミック雑誌の『if』にてデビュー以来、倉科作品だけでなく、主に青年誌や
雑誌のイラスト等のお仕事でも幅広くご活躍中の漫画家です。

淫靡でドラマチックな倉科作品には、東先生のタッチの作画はとても合っていると評判が高いようです。

(3)「ネオン蝶」の作品世界と背景の世界観について

「ネオン蝶」とはどういった作品なのでしょうか?

その、物語の流れをざっくりと紹介すれば、

この物語の主人公であるヒロインの桜子には、静岡で平凡に暮らしていました。
桜子には、とても華やかで憧れの存在だった叔母の佳代がいました。
そんな桜子に転機が訪れます。
19歳の時に、母が亡くなり、東京の池袋でスナックを経営している叔母の佳代を頼って上京し、憧れの佳代のような
華やかなホステスになることを夢見て新生活をスタートさせます。

ところが、華やかに見えた佳代の経営するスナックの経営状態は酷い状態で、多額の借金があったのでした。
桜子は、信じていた佳代に裏切られ、多額の借金のかたに大金持ちの大黒という人物に売られてしまいます。

希望から一転、絶望の淵に立たされる桜子でしたが、他に行く場所も無く、泣く泣く状況を受け入れるです。
しかし、そのどん底から、這い上がって、ネオン蝶へと変身してやろうと誓うのでした。

だいたいこんな流れで、お話は進行していきますが、倉科先生お得意のパターンといっていいでしょう(笑)。

人気の高い倉科遼の原作ということで、多くの固定ファンに読まれている作品ですが、東先生の作画も非常に
綺麗で色気があり、原作にマッチしているという声が多いことがこの作品の最大の特徴だと思います。

ホスト系漫画「夜王」について教えて!!

(1)「夜王」という作品について

「夜王」は、集英社の『週刊ヤングジャンプ』誌上において、2003年から2010年の7年間にも渡って連載されていた
人気漫画作品です。
全部で、313話にも及ぶ連載は、コミック単行本でも全29巻という膨大なシリーズで、売り上げ的にも200万部を軽く超える大ヒット作品となっています。

原作の漫画でも大ヒットした「夜王」ですが、テレビドラマ化もされ、2006年にはTBS系列の22時金曜ドラマ枠にて、TOKIOの松岡昌宏主演で放映され、平均視聴率は15.5%という高い人気のドラマとなりました。

(2)「夜王」を作った人たち

「夜王」と言う作品は、漫画原作者の先生と、作画担当の漫画家の先生2人によって作られています。

まず、漫画原作担当の先生ですが、お水系漫画の世界では巨匠といってもいいでしょう。
すっかりお馴染み、倉科遼先生です。

倉科遼といえば、「女帝」シリーズや「嬢王」など、ホステス・キャバクラ嬢の王道系成り上がり復讐劇を
得意技としている作家さんですが、この「夜王」は同じお水の世界とはいえ、女性(ヒロイン)が主人公ではなく、
ホスト(男性)が主役であるところが、異色の作品だと思います。

倉科遼の経歴は、1950年生まれで栃木県出身。
デビュー当時は、作画も手掛ける普通の漫画家で、ヒット作品も数多く生み出しましたが、ある時に壁にぶち当たり
行き詰まりを感じて、漫画家としては筆を折ってしまいます。
そして、漫画原作者に専業することで再起を図りますが、これが大成功。

夜の世界を描いた作品群を中心に次々とメガヒットを飛ばし、押しも押されないお水漫画原作の草分けのような存在にまで
成長し、今に至ります。

次に、「夜王」の作画を担当している漫画家さんは、井上紀良(いのうえよしのり)先生です。
1959年生まれの滋賀県出身の漫画家で、1978年に『少年キング』誌上にて「パイナップル・ジョー」という作品でプロデビュー
を果たします。
以後、『ヤングジャンプ青年漫画大賞』において、「エンジェルス」が入選して以降は、主に集英社の『週刊ヤングジャンプ』
を主戦場に、連載や単発掲載をしています。

「夜王」の他にも、「黄龍の耳」(原作:大沢在昌)や「水滸伝」(原作:北方謙三)など、著名な原作者とタッグを組んだ
多くのヒット作品を世に送り出しています。

(3)「夜王」の作品世界観について

「夜王」の作品世界を流れる基調についてざっくりと紹介すれば、

生きていく目標を漠然と求めて北海道から上京したこの物語の主人公・的場遼介だったが、東京で行き詰まり、歌舞伎町で途方に暮れて
いるところを、世界的なデザイナーである加納麗美に拾われて、歌舞伎町のホストクラブ「ロミオ」に入店して、ナンバーワンホスト
に上り詰めていくというお話です。

歌舞伎町という日本一の夜のネオン街を舞台に繰り広げられる、ホスト達や客たち、また、それを取り巻く有象無象たち
のドラマを倉科作品特有のドラマチックな盛り上げ方で描いています。

漫画はもちろんドラマシリーズも大ヒットし、多くのファンを持つ作品です。

「綾。ホステス、18歳」というお水系漫画について教えて!!

(1)「綾。ホステス、18歳」という作品について

「綾。ホステス、18歳」は『まんがフリーク』から発行されている全7巻の少女漫画です。
いわゆるお水系漫画のカテゴリーでありますが、王道の女帝系とは一線を画した割と冷めた目線で
ホステスというお仕事をしている女の子の日常を描いた作品となっています。

(2)「綾。ホステス、18歳」を作った人たち

「綾。ホステス、18歳」は、2人の先生によって作られています。
1人は、漫画家さんで、もう1人は原案の作家の先生です。

まず、作画を含めて作品の漫画全般を描いている先生ですが、みづき水脈(みずきみお)先生です。
横浜市の出身で、横浜緑ヶ丘高校から青山学院大学を経て漫画家となっています。
主に『デザート』(講談社)を連載の場として活躍していますが、他にも売れっ子シナリオライターだった小松江里子氏
の原作シナリオを漫画化した「若葉のころ」や「フレンズ」を描いたり、芥川賞作家の綿矢りさ氏の小説「インストール」
を漫画化して描いたりと、非常に幅広い振り幅で活躍している漫画家さんです。

次に、この「綾。ホステス、18歳」のもう1人の作り手である、原案者の先生は、藤森直子先生です。

この先生は、かなりの変わり種として有名なライター(作家)であり、彼女を最も有名にした作品(私小説?)に
「Fuckin’ Blue Film(ファッキンブルーフィルム)」という日記小説(元はブログ)作品があります。
この作品は、かなり衝撃的であり、SMクラブで働いていた作者の実体験をもとに、倒錯したかなりクレイジーな世界が展開されていきます。
後に、田口ランディという有名ライターがこの作品を盗作したとして騒動になったことでも有名だと思います。

藤森直子先生は、プロフィール等は公にされていませんが、上記のように非常に変わった職歴と性癖の持ち主のたいへんユニークな人物であることは周知です。

以上のような2人の先生によって生み出された作品が「綾。ホステス、18歳」なのです。

(3)「綾。ホステス、18歳」の作中世界観とその背景等について

上に述べたような個性的過ぎる先生方の編み出したお水系漫画が「綾。ホステス、18歳」ですから、さぞかし物凄いモノを
想像している読者には気の毒なのですが、この作品は、いたって普通の少女漫画となっています(笑)。

ざっくりと、作品に流れる基調のストーリー的なものに触れると、

「時給3000円」という高額時給に釣られて、軽い気持ちでキャバクラ嬢のバイトを始めた18歳の藤森直子(原案者と同名(笑))
が仕事をするお店での、あれやこれやを面白おかしく軽妙なタッチで描いた作品です。

この作品の読者評は、概ね好評ですが、リアリティーやドラマチックさを求める読者層には物足りない作品らしく
辛辣な感想もチラホラ見られます。

お水漫画の王道作品「お水の花道」ってどう??

(1)「お水の花道」という作品について

「お水の花道」は、講談社の女性漫画誌『KISS』誌上において連載されたお水漫画の王道作品といっても
よい作品です。

コミック本としても全15巻が出ていて大変人気の高い作品ですが、早い時期にテレビドラマ化され、
一般認知度は、漫画よりもテレビドラマとしての作品の方が上ではないかと思います。

まず、1999年の1月~3月のクールにおいてフジテレビ系水曜22時の枠で全国放送でテレビドラマ化されています。
そして原作の漫画においてもこの作品の続編となる「新・お水の花道」の方が、同じくフジテレビ系の火曜9時枠に
おいて2001年4月~6月期に全国放映されています。
どちらも非常に高い視聴率を取っています。

(2)「お水の花道」を作った人たち

「お水の花道」という作品には、漫画原作者の先生と、作画担当の先生の2人の作者がいます。

まず、漫画原作者の方ですが、城戸口静(きどぐちしずか)先生です。
1969年生まれの山形県出身の女性です。
1991年に「講談社新人漫画賞」において佳作を受賞し、以降自身の水商売で働いた実体験を活かした「そんなお水のひとりごと」
でプロデビューしました。

デビュー作は作画も自身で描いていますが、以降は、作画も自分で書く作品と、漫画原作者として作画は他の漫画家の先生に
描いてもらう作品の両方を制作するスタイルです。

そんな中でも「お水の花道」はホームラン級の大ヒットとなり、城戸口先生といえば「お水の花道」という一般認知度になっています。

次に、「お水の花道」の作画を担当した漫画は、理花先生です。
理花先生は、この「お水の花道」はとても有名ですが、他に調べても少なくともメジャーな販路やコミックでは見当たりません。

このシリーズの続編である「新・お水の花道」という作品も、漫画原作は城戸口静先生ですが、作画の漫画家は別の先生に代わっているので
おそらく理花先生のメジャーな代表作はこの「お水の花道」のみということになると思います、今のところは。

(3)「お水の花道」の作品世界とその世界観について

「お水の花道」は、28歳の崖っぷちホステスの明菜が(ドラマでは30歳ガケップチホステスと設定しなおされている)、かつてはナンバーワンだったプライドにかけて、まだまだもう一花咲かせてみせるわよ!というコメディータッチのお水王道系漫画です。

明菜の勤める六本木の高級クラブ『club PARADISE』において繰り広げられる夜毎のドタバタ劇や人間模様を、ギャクを交えて
悲喜こもごもに展開されていく作中世界観です。

あまりむずかしいことは考えずに読みたい、すかっとした読後感が欲しい読者には単純に痛快で楽しい作品でしょう。

テレビドラマ化もされたお水漫画「嬢王」について教えて

(1)「嬢王」という作品について

「嬢王」は集英社の『ビジネスジャンプ』誌上において、2004年から2008年にかけて連載されていたお水系漫画作品で、
その第2部となる「嬢王 Virgin」も2009年から2010年にかけて同誌上において掲載されました。

コミック本も第1部のみでも全12巻が出ていますし、2005年の秋クールには、テレビ東京系において全12回わたって
テレビドラマ化されました。

『ドラマ24』という深夜枠においても「嬢王3 Special Edition」というタイトルで、更なる続編のテレビドラマが放映されたので、どちらかといえば、一般的にテレビドラマとして有名になった作品と言えるかと思います。
(2)「嬢王」を作った人たち

「嬢王」という作品は、漫画原作者の先生と、作画担当の先生の2人によって作られています。

まず、漫画原作担当の倉科遼先生は、お水系漫画好きなら誰でも知っているほどの大御所であり、草分け的存在です。

1950年、栃木県の那須塩原市出身で、始めは漫画原作だけではなく、作画も描いていた漫画家です。司敬(つかさけい)という
ペンネームで「野望の群れ」や「武田みけん星」など幾つかの代表作およびヒット作を残しています。
しかし、ある時、漫画家としての行き詰まりを感じて、筆を折ってしまいます。

ですが、そこから心機一転して漫画の原作者に専業する方向転換を図り、数多くの優れた原作を作画担当のいろいろな漫画家に
提供して、それが軒並みヒットを飛ばして見事に再起、現在に至っています。

次に、「嬢王」の作画担当の先生は、紅林直先生です。
静岡県出身の男性の漫画家さんで、もともとは、みやすのんき先生などのもとでアシスタントをしていました。
「嬢王」の他にも「フォーチュン」などの代表作があります。
(3)「嬢王」の作中世界観とその背景などについて

「嬢王」という作品の物語の流れをざっくりと紹介していくと、この物語の主人公でありヒロインの藤崎彩は
父親が会社を経営するお金持ちのお嬢様でしたが、父親の会社の経営が傾き、遂に倒産してしまうところから始まります。
そして、藤崎家は、1億5000万円もの借金を背負うことになり、更に弱り目に祟り目、父親は心労が重なったあまり、倒れて入院してしまうのです。
途方に暮れかけていた彩だったのですが、ある日キャバ嬢をしていた友人から、『Q-1グランプリ』というナンバー1キャバクラ嬢を競うコンテストが開かれることを聞かされます。
そして、そのナンバー1キャバ嬢『嬢王』の称号に輝いた優勝したキャバクラ嬢には、賞金として1億円がプレゼントされることも…。

これを聞いて、一家の苦境と借金に苦しんでいた彩の心は決まりました。
ナンバーワンのキャバクラ嬢を目指すべく、それまで箱入りお嬢様で世間知らずだった彩が、お水の世界に飛び込んでいくのです。
そこから始まる1年間の戦いの日々が「嬢王」の世界で繰り広げられていきます…。

さわりざっと紹介すると以上のような作品世界観です。

この作品は、さすが倉科作品というお決まりの、ドン底スタート→ヒロインが力強く立ちあがり夜の世界でのし上がっていく、
というパターンが組み込まれていて、ファンの人にはたまらない作品になっています。

一方で、あまりにご都合主義的でお水の世界をナメすぎ、そんなに甘くないという読者評も多く、まぁ仕方ないことですが、
賛否の分かれる作品でもあることを付け加えておきます。

痛快なキャバクラ漫画「ヤンキャバ・ウォーズ ~六本木 元ヤンキャバ嬢大戦争~」

■「ヤンキャバ・ウォーズ ~六本木 元ヤンキャバ嬢大戦争~」という作品

「ヤンキャバ・ウォーズ ~六本木 元ヤンキャバ嬢大戦争~」は、現在好評連載中のお水系漫画です。

主に電子書籍のコミックとして色んな人たちに読まれ、現在コミックで6巻が販売されています。
■「ヤンキャバ・ウォーズ ~六本木 元ヤンキャバ嬢大戦争~」を作った人たち

「ヤンキャバ・ウォーズ ~六本木 元ヤンキャバ嬢大戦争~」は、漫画原作者と作画担当の漫画家という2人の作家がいます。

まず、漫画原作者は、「女帝」でもお馴染みのお水系漫画の巨匠といっても良い存在の倉科遼先生です。
倉科遼は、1950年生まれで栃木県那須塩原市出身の作家さんで、1971年に「司敬」というペンネームの漫画家として、原作だけでなく
作画もしていました。
「野望の群れ」や「昭和バンカラ派」など幾つかのヒット作を出しますが、漫画家として次第に行き詰まり、遂には筆を折ってしまいます。

しかし、心機一転して、倉科遼に改名。
漫画原作者専業として生きていくことを決め、「女帝」などの大ヒットを飛ばし見事に再起、現在に至るまで数多くのヒット作の
漫画原作を手掛け、特にお水系漫画では草分けの存在となっています。

次に、「ヤンキャバ・ウォーズ ~六本木 元ヤンキャバ嬢大戦争~」の作画担当の漫画家さんは、まつやま誠十(まこと)先生です。

ぶんか社などを中心に、幅広い作品を描いている漫画家さんです。
■「ヤンキャバ・ウォーズ ~六本木 元ヤンキャバ嬢大戦争~」の作品世界および世界観

現在多くの読者を持ち、好評である「ヤンキャバ・ウォーズ ~六本木 元ヤンキャバ嬢大戦争~」ですが、その作品世界とは
どのようなものなのでしょうか?

以下に、ざっくりとその概要を紹介していくと、

この物語の主人公でありヒロインは、白鳥美羽という渋谷をテリトリーにたむろするヤンキーギャル(笑)です。
ギャルのヤンキーグループを組んでいて、渋谷界隈では「現役渋谷最強」と恐れられているケンカやカツアゲに明け暮れて
いる不良のギャルですが、ある日転機が訪れます。

グループの仲間が、ド派手な女にケンカを売ったのはいいのですが、見事に返り討ちに遭いボコボコにされてしまうのです。
そして、そのド派手で強い女の正体を知って、美羽はショックを受けます。
その正体とは、今は六本木ナンバーワンのキャバ嬢として絶賛売り出し中であり、かつては、「渋谷最強の伝説の女ヤンキー」
としてその名が轟き渡っていた麗奈だったのです。

美羽の負けじ魂がメラメラと燃え上がり、麗奈に「アンタ以上のキャバ嬢になってやるっ!!」と宣言をかまして、六本木の
キャバクラの世界に飛び込んでいくのでした。

このような感じで、ドタバタとヤンキーギャル(笑)たちのキャバクラウォーズが繰り広げられていくのが、
「ヤンキャバ・ウォーズ ~六本木 元ヤンキャバ嬢大戦争~」の作品世界の世界観となっています。

単純に痛快なキャバクラものが読みたい、楽しみたいという読者にはうってつけの作品だと思います。
また、お水系漫画のお話の作り方には定評があり、一定のファンのついている倉科作品というところもポイントでしょう。

美貌のホステスが織りなす壮大な復讐劇「女帝」

■「女帝」という作品について

「女帝」は、「女帝 SUPER QUEEN」というタイトルで、芳文社の『週刊漫画TIMES』に連載されたお水系漫画です。
コミック本としても全24巻が発売されており、後に、映画化、テレビドラマ化もされたまさにお水系漫画の
王道とも言ってよい大ヒット作品です。

映画は2000年に小沢真珠主演で、テレビドラマはテレビ朝日系にて加藤ローサ主演で
それぞれ製作上映(放映)されました。
2011年には韓国でもテレビドラマ化され、大きな反響がありました。

■「女帝」を作った人たち

「女帝」は、漫画原作者と作画担当の漫画家の2人によって作られている作品です。

まず、漫画原作者は倉科遼で、その後も「女帝 薫子」や「女帝 由奈」などの女帝シリーズを色々な作画担当の漫画家とともに
世に出し続けています。
栃木県出身の1950年生まれの作家さんで、もともとは司敬というペンネームで、自分で漫画も描いていた漫画家でしたが、ある時壁に突き当たり、漫画家としては一度筆を折っています。

そして新たに、専業の漫画原作者として倉科遼と名前も変えて再起を果たしました。
以降、この「女帝」を始め実に数々の漫画の原作を書いてヒットも飛ばしています。

次に、「女帝」の作画を担当している漫画家は、和気一作先生です。
和気一作は、高知県室戸市出身の漫画家で、色んな漫画家のアシスタント生活を経て、ヤングコミックに掲載された
「愛宕橋」でデビューしています。

以後、色んな作品を描いていますが、漫画原作のある作品の作画担当の漫画家としての仕事が多いのが特徴です。
なかでも、この「女帝」のような倉科遼原作の作品が多いです。

■「女帝」の作品世界の世界観や背景

コミックも全24巻という長編、更に映画化やテレビドラマ化もされるお水系漫画の金字塔といってもよい王道作品がこの
「女帝」ですが、その作品世界とはどのようなものなのでしょうか?

以下にざっくりと、ストーリー展開の概略と世界観を紹介していきたいと思います。

この物語の主人公、ヒロインである立花彩香は熊本の母子家庭に育ち、母親は「火の国」という小さなスナックのママとして生計
を立てていました。
彩香は、誰もがはっと息を飲むほどの美貌の持ち主で、しかも成績も優秀で生徒会の副会長を務める優等生、まさに才色兼備のような
女の子です。

そんな彩香に、密かに激しい恋心を抱いていたのが、熊本で有数の資産家の御曹司・杉野謙一でした。
謙一はなんとか彩香と付き合おうと躍起になりますが、その想いに気づいて激しい嫉妬の感情を爆発させるのが、謙一のフィアンセ
である資産家令嬢の北条梨奈でした。

梨奈は、謙一を彩香に渡してなるものかと、あの手この手で、彩香に様々な嫌がらせを仕掛け、謙一との仲を切り裂こうと画策します。
その結果、「火の国」は地上げ屋に立ち退きを迫られ、彩香の母も、苦しみの果てに癌で亡くなってしまいます。

梨奈の嫌がらせに、必死に戦ってきた彩香母娘でしたが、最後には謙一にも裏切られ、復讐の鬼となることを誓うのです。

彩香は、熊本を離れ、お水の世界でお金と権力の犬の男たちを操る「女帝」となる野望を抱いて大阪での生活を始めるのでした。
ざっと、概略を紹介するとこんな感じで物語が展開していくのですが、倉科遼先生のお得意な壮大な復讐劇です。

ヒロインに感情移入できる人はグイグイと物語に引き込まれていくことは請け合いですね。

おばあちゃんホステスたちの感動の物語「その女、ジルバ」

■「その女、ジルバ」という作品について

「その女、ジルバ」は、講談社の「ビッグコミックオリジナル」に掲載されていた変化球の
お水系漫画です。

コミック本としても、ビックコミックスから全3巻発売されています。
■「その女、ジルバ」を書いた作者について

「その女、ジルバ」は、有間しのぶ先生によって描かれました。
有間しのぶ先生は、1964年生まれで福島県出身の女性です。
1982年に、講談社の週刊ヤングマガジンでデビューしますが、そのデビュー作の『本場ぢょしこうマニュアル』は
最初からスマッシュヒットを飛ばし、結局8年の長きに渡り連載が続きます。

他の代表作に『モンキー・パトロール』や『酔ろれいひ』など多数ヒット作があります。

彼女の作風として特徴的なのが、非常に素朴なタッチで、どこか投げやりで諦観の漂う世界観の中にも、
人間の心の闇の部分もどこかおもしろおかしく笑い飛ばしてやろうとする独特の弱者への愛が感じられる点です。
■「その女、ジルバ」の作中世界観とその背景

「その女、ジルバ」は、お水系やキャクバラ漫画の正統的な作品とは一線を画す、変則的な作品だと思います。

では、どのような作品なのでしょうか?

ざっくりとそのあらすじや世界観を紹介すると、

この物語の主人公であり、ヒロインである笛吹新(うすいあらた)は、独身、彼氏なし、貯金なし、老後の希望もなし
のないないづくしの40歳のおばさん。
大手スーパーに勤務していた彼女は、四十路になり姥捨て山と呼ばれる倉庫整理の仕事に回されます。

そんな絶望的な状況で、諦めムードの中、新は街中である張り紙を発見します。
それは「BAR OLD JACK & ROSE」というお店の、”ホステス募集”の張り紙でしたが、なんと、その募集内容が
「40歳以上」という条件でした。

スーパーではすっかり姥捨て山に回され、仕事はもちろん、恋も老後も、更には人生さえも諦めかけていた新が
この「BAR OLD JACK & ROSE」で、新米ホステス「アララ」として人生を取り戻していく物語の始まりです。

「BAR OLD JACK & ROSE」のホステスの平均年齢はなんと70歳以上。

ですが、みんなプロフェッショナル中のプロフェッショナルであり、常連客たちを最高のおもてなしで逃がしません。
そうした超高齢のおばあちゃんホステスたちと、彼女たちに毎日会いに来るたくさんの常連客達を目の当たりにするうちに
新米ホステス・アララの心にも温かい気持ちが芽生え、希望と元気を徐々に取り戻していきます。

一度は諦めかけていた主人公の人生でしたが、活き活きと精気を取り戻していくプロセスとその流れが実に絶妙に描かれ、見事だな、と感じます。
メリハリが効いて、人間の深い部分に何気なく切り込んでいき、感動を引き出す作家の技量は只者ではありませんね。

「その女、ジルバ」は、いわゆるお水系漫画の王道といった作品群からかけ離れていて、変化球とも呼べる作品ですが、
人間の根底を見事に描き切っている秀逸な作品であると思います。